今日は、少し照れくさい話を書かせてください。 自分の名刺の話です。 私の肩書きには、こう並んでいます。 ・一級建築士 ・宅地建物取引士 ・ファイナンシャルプランナー(AFP) ・公認 不動産コンサルティングマスター ……長いですよね。 正直なところ、お渡しするたびに 「資格自慢をしているみたいで、どうもなあ」 と思っておりました。 そこで先日、ふと思い立ちまして、 GoogleのAIである「Gemini」に聞いてみたのです。 「この4つの資格を合わせて持つと、 お客さんにどんな仕事を提供できますか」 自分のことを、AIに聞く。 我ながら、ずいぶん妙なことをしたものです。 ところが返ってきた答えが、 私が20年以上かけて言葉にできずにいたことを、 あっさり言い当ててしまいました。 長い回答でしたが、要するにこういうことでした。 「窓口ひとつで、全体を見て決められる」 これに尽きます。 どういうことか、ご説明します。 たとえば、こんなご相談があったとします。 「親が施設に入ることになった。 誰も住まなくなる実家を、どうしよう」 このとき、多くの方はどこかに相談に行かれます。 さて、どこへ行くか。 不動産屋さんに聞けば── 「売りましょう。今なら高く売れますよ」 ハウスメーカーに聞けば── 「アパートを建てましょう。相続対策になりますよ」 リフォーム屋さんに聞けば── 「直して貸しましょう。もったいない」 税理士さんに聞けば── 「まず税金の試算をしましょう」 みなさん、嘘は言っていません。 それぞれの専門の立場から、正しいことをおっしゃっています。 ただ、どの答えも 自分の商売の側から見た答えなのです。 業界では、これを 「ポジショントーク」 と呼びます。 相談する相手を変えると、答えが変わる。 家の一生を左右する判断が、 「たまたま最初に誰へ相談したか」で決まってしまうことが、 実際にあるのです。 実家の話に戻ります。 選択肢は、売るか貸すかの二択ではありません。 ・耐震改修と断熱改修をして、賃貸に出す ・解体して、更地でお渡しする ・敷地の一部を売り、残りにご自身の家を建てる ・小規模宅地等の特例を活かした組み替えをする ・そのまま持ち続け、数年後の売却に備える ...
今日は二級建築士の設計製図試験日です。 10時35分から25分間の注意事項等の説明があり、 11時00分から16時00分まで、5時間の設計製図試験になります。 お昼休憩はありません。 この5時間を「長い」と思われる方もいらっしゃるでしょうが、 受験者にとっては、あっという間に過ぎてしまうはずです。 今年の課題は 「商店街に建つ併用住宅(木造3階建て)」 です。 1階が店舗、2階・3階が住宅という構成になるかと思います。 以前は一級建築士でなければ取り扱えなかった木造3階建ての設計ですが、 2025年4月の法改正で、二級建築士でも扱える ようになりました。 ところで、 「商店街の店舗併用住宅」と聞いて、 皆さんはどんな風景を思い浮かべますか。 何となく、昭和の商店街をイメージされるのではないでしょうか。 空き店舗が増え、やがて空き家になり、寂れていく商店街。 それが社会課題になっているのが、今の日本です。 試験の課題そのものが、 時代の宿題を映しているような気がしてなりません。 さて、ここで建築士の数について、少し書いておきたいことがあります。 一級建築士の登録者は、 約38万人 (令和7年)。 毎年、微増しています。 ところが、 実務(設計・工事監理)を行える建築士事務所に所属する一級建築士は、 約13万人(令和7年)。 さらに重複登録があるため、 実際には約10万人弱 とのことです。 そのうち 50代以上が約7割、60代以上が約4割 。 20代は、なんと1パーセント しかいません。 将来的に一級建築士が著しく減少する見通しのため、 大学在学中に受験できるようにという動きもあります。 二級建築士も、似たような状況です。 登録者は 約80万人 (令和7年)。 そのうち 建築士事務所に所属する二級建築士は、約8万人 です。 資格に合格しても、実務者として活躍する人が少ない。 これが建築士の実情 です。 所属建築士になると、 3年ごとの定期講習と考査を受けなければなりません。 建築基準法をはじめ、関連法令の改正が続きますから、 その学習も必要です。 年々、責任が重くなっている印象があります。 『建築士としての仕事なんて、やってられない』 そう思ってしまう資格者が増えているのではないか、と...