今年も残すところあとわずかとなりました。 2025年の年内配信は、本日が最後となります。 今年1年を振り返りますと、私たちが取り組んできた仕事の内容にも、 時代の変化や社会のニーズが色濃く反映されていたように感じます。 特に印象的だったのは、 相続不動産に関するご相談 が増加したことです。 ご実家の住まいをどう活かすか、建て替えるべきか、リフォームして住み継ぐべきか――親から受け継いだ住まいと真摯に向き合おうとされる方々の姿に、私たちも多くのことを学ばせていただきました。 住まいとは単なる不動産ではなく、家族の記憶や想いが刻まれた大切な場所です。それをどう次の世代へとつないでいくか。そのお手伝いができることに、改めて私たちの仕事の意義を感じた1年でもありました。 また、 木造戸建住宅の耐震・劣化対策 についても、多くのご依頼をいただきました。 12月に青森県東方沖で連続して発生した地震、そして記憶に新しい能登半島地震。大地震は決して遠い話ではなく、いつ私たちの暮らしを襲うかわからない現実です。 ご自宅が 「倒壊する可能性の高い家」 なのか、それとも 「命を守れる家」「住み続けられる家」 なのか――まずは知ることから始まります。 今年も多くのお客様が、ご自身の住まいの現状と真剣に向き合い、防災・減災への一歩を踏み出されました。その決断の重みを受け止め、私たちも一軒一軒、心を込めて取り組んでまいりました。 そして今年は、 外構ガーデニングのご依頼 も増えたことが印象に残っています。 コロナ禍を経て、人々の暮らしの価値観が変化したことも影響しているのでしょう。門扉から玄関までのアプローチや庭という空間は、単なる「家の外側」ではなく、季節を感じ、自然とつながり、暮らしに潤いをもたらす大切な場所です。お客様それぞれの想いを形にする作業は、毎回新鮮で、私たち自身も楽しみながら取り組ませていただきました。 振り返れば、今年もさまざまなご縁に恵まれた1年でした。 私たちの仕事は、決して華やかなものではありません。黙々と現場で汗を流す職人の方々。設計図に向き合い、お客様の想いを形にしようと考え抜くスタッフたち。そして、完成した住まいで笑顔を見せてくださるお客様。その一つひとつが重なり合って、初めて「住まいづくり」という仕事が成り立っています。 以前のブログでも書きましたが、誰かが光を...
12月16日(火)付の河北新報朝刊に、 宮城県が新耐震基準の木造住宅にも耐震改修の補助金制度を検討している という記事が掲載されました。 正直、びっくりしました。 近年、熊本地震、そして能登半島地震と、 大地震による建物倒壊で命が奪われる状況が続いています。 阪神・淡路大震災以降、国と地方自治体は、 旧耐震基準で建築された木造住宅 の耐震改修に注力してきました。 一方、熊本地震の建物被害の状況から、 新耐震基準で建築された木造住宅でも被害が大きかった ことが明らかになりました。 これを受け、国や宮城県では、 昭和56年6月から平成12年5月までに建築(新耐震基準)された木造住宅 について、 耐震性能のチェックを住宅所有者に呼びかけています。 https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kentaku/s5606_h1205_whome.html また、能登半島地震では、 旧耐震基準の木造住宅の耐震改修が十分に進んでいなかったこともあり、 被害が大きくなっていました。 多くの地方自治体でも同様の状況だと思われます。 新耐震基準住宅の耐震性の課題を認識していても、 その前に旧耐震基準住宅の耐震改修を急がねばならない ――これが現実です。 宮城県内でも、旧耐震基準の木造住宅の耐震改修が100%進んでいるとは言い難い状況です。 そのような中で、 新耐震基準の木造住宅に対する耐震改修の検討を進めた ということは、 とても素晴らしいことだと私は思いました。 国土交通大臣登録住宅リフォーム事業者団体 である 日本木造住宅耐震補強事業者協同組合 が公表している(2019年1月16日公表) 新耐震基準の木造住宅の耐震診断結果は、次の図表のとおりです。 評点0.7未満「倒壊する可能性が高い」: 63.68% 評点0.7〜1.0未満「倒壊する可能性がある」: 21.96% この公表は2019年1月で、 2018年までの耐震診断結果 の集計です。 そこから7年が経過しているため、経年劣化の進行も踏まえると、 さらに割合が増加している可能性もある と考えます。 また、耐震補強工事(耐震改修)の平均施工金額は 149万7,927円 となっていますが、 コロナ禍以前のデータです。 現在は資材・人件費の上昇を考えると、 5割程度上昇しているのでは と推測します。 このよう...