先週、とうとう熱帯夜がありました。
寝る時にエアコンを使うのが苦手でもあるので
我慢しているのですが、寝苦しくて疲れが取れるどころか、
蓄積させてしまったような感じです。
さて、先日、YouTubeに一本の動画をアップしました。
テーマは「親が認知症になったとき、実家は売却できるのか」。
日々の相談のなかで、
いちばん多く、
そしていちばん切実にお聞きするお悩みのひとつです。
今日はそのお話を、少しかみくだいて綴ってみたいと思います。
「実家を売って、施設の費用に」――その一歩が、踏み出せない
「親が認知症になってしまった。実家を売って、施設の費用に充てたい」
そう考えるご家族は、決して少なくありません。
ところが、いざ動こうとすると大きな壁にぶつかります。
親御さんの判断能力が低下してしまうと、
たとえ実の子どもであっても、
実家を勝手に売却することはできないのです。
「家族なんだから、なんとかなるだろう」
――そう思っていた方ほど、この事実に驚かれます。
判断能力が下がると、暮らしのあちこちで「連鎖」が起きる
ご本人の判断能力が下がると、
実は売却だけの問題では済みません。
預貯金の引き出しや定期の解約ができなくなったり、
契約ごとが止まってしまったり。
介護や施設にお金がかかる時期に限って、
肝心のお金や資産が「凍りついた」ように動かせなくなる。
ひとつのつまずきが、次のつまずきを呼ぶ。
そんな連鎖が、暮らしのあちこちで起きてしまうのです。
分かれ道は、「本人の意思確認」ができるかどうか
実家が売れるか売れないか。
その分岐点は、
ずばり「ご本人の意思確認ができるかどうか」にあります。
不動産の売買は、法律上とても重い契約です。
「この家を、この値段で、この人に売ります」
という意思を、ご本人がきちんと示せること。それが大前提になります。
だからこそ、判断能力がしっかりしている「元気なうち」と、
そうでなくなったあとでは、
取れる選択肢の数がまるで違ってくるのです。
「成年後見制度」には、二つの入り口がある
判断能力が低下したあとの受け皿となるのが、
「成年後見制度」です。
ここは少しだけ丁寧に。
成年後見制度には、大きく二つの入り口があります。
- 法定後見 ―― すでに判断能力が下がってしまったあとに、家庭裁判所に申し立てて後見人を選んでもらう制度
- 任意後見 ―― まだ元気なうちに、「いざというときはこの人にお願いします」とご自身であらかじめ決めておく制度
同じ「後見」でも、使うタイミングがまるで違います。
元気なうちに備えておくのか、いざとなってから動くのか。
その差は、後々とても大きく効いてきます。
注意したい、三つの落とし穴
制度があるなら安心――と思いきや、
ここに知っておいてほしい落とし穴があります。
ひとつ目は、「時間」。
法定後見は、申し立ててすぐに使えるわけではありません。
家庭裁判所での手続きには、それなりの期間がかかります。
「今すぐ売りたい」に、制度のスピードは追いついてくれないのです。
ふたつ目は、「費用」。
手続きの手数料だけを見て判断するのは禁物です。
後見人への報酬など、制度を続けていくうえでかかる費用まで含めて、
全体像で考える必要があります。
三つ目は、いちばんの注意点。
後見人がついても、実家を「自由に」売れるわけではないということです。
ご本人が住んでいた家(居住用不動産)を売るには、
家庭裁判所の許可が必要になります。
後見人は、あくまでご本人の利益を守るのが役目。
「家族が売りたいから」という理由だけでは、話は進みません。
だから、「不動産の現状把握」は並行して進める
売却がストップしてしまう事態を防ぐためにも、
制度の手続きと並行して、
不動産そのものの状態を早めに把握しておくことをおすすめしています。
いま、その家がいくらで売れそうなのか。
どんな状態で、どんな手を打てるのか。
ここが見えているかどうかで、
いざというときの動きがまるで変わります。
仙台でも、こうしたご相談が増えています
ここ仙台エリアでも、実家や空き家をめぐるご相談が確実に増えています。
「親が心配だけれど、何から手をつければいいか分からない」
――そんな声を、本当によくお聞きします。
実家売却を成功に導くには、
①元気なうちの備え、
②本人の意思確認ができる「今」を逃さないこと、
③不動産の現状を早めに把握しておくこと。
この三つの視点が欠かせません。
時間が経つほど、選択肢は減っていく
実家じまいや空き家の問題は、
時間が経てば経つほど、
取れる選択肢が少なくなっていきます。
いざというときに慌てないために。
そして何より、ご本人とご家族が穏やかに過ごすために。
「まだ元気だから」の今こそが、
いちばん動きやすいタイミングなのです。
動画では、この内容をさらに詳しくお話ししています。
「うちはどうなんだろう」
と少しでも気になった方は、どうぞご覧ください。
そして、ひとりで抱え込まずに、お気軽にご相談いただければと思います。
▼動画はこちら
https://youtu.be/ysA4jpuo1y4

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